棒の手
棒の手は、山伏修験の護身術や呪術として発生した棒術が、中世において武技・戦技化し、
近世以降に神事芸能化したものと考えられる。
県や市町村の無形民族文化財の指定も多く、愛知県を代表する民事芸能となって、
60カ所以上に継承されている。
棒の手の型には、「表」と「裏」があり、「表」は棒のみを扱い、「裏」はキレモノと称して真剣も使う。
表裏併せて多い所で34手あるという。
実際には10数手を伝える所が多く、巻物に説明があっても、演技できなくなっている型も多い。
逆に、額の縄鉢巻きや竹筒を壱一力両断したり、鎖鎌を扱う荒技を今も伝えている所もある。
弱くて不利な武器を持つ方が凶器を制する防衛的な型が殆どであるのは、
武器を禁じられていた農民の自衛武装
あるいは馬の塔の警護として発展したという経緯によるものであると思われる。