はじめに
学問は、いずれの領域でも、まず信頼性の高い資料で調べ、それを分かりやすくまとめ、他人に提示する、という「手続き」をとります。そして大学ではこの「手続き」を学ぶことを重視します。「創造性」とか「独創性」とかをいいますが、この「手続き」によらない説は、単なる当て推量に過ぎません。「根拠」がないものは「学問」にならないのです。中には、「挙げられた項目には『立論』が抜けているじゃあないか」と言う人もいるかも知れません。「目的を持って調べる」か、「調べるうちに目的が見えてくる」のか。色々考えはあるでしょうが、私は若い内は後者で行くべきだと考えております。「形に残る資料」を作成してそれを蓄積して行く内に、自然に問題は浮かんで来る物だと思います。(というか、私はそうやってきましたので、「自然に問題が浮かんで来てくれ。」と思っているというべきでしょうか。私も不惑を迎えますので、もうこの方法で迷わず行こうと思っています。)
国文学に限らないように思いますが、「立論」がどんなに上手でも、資料の蓄積がない人の研究は、なぜかその人が年齢を重ねてくると色あせて来るように思えますし、逆に若い頃はそれほどと思った人が30歳過ぎくらいからその蓄積を活かした良い論文を量産しはじめることもあるように思います。私の周囲でも例は多いです。学問というものは、将来のために行うものですから、皆さんも「自分にしか使えない資料がある」ことが最後には強いのだと思って、地道に調べを続けてください。
私の演習は面倒臭いです。バイトの片手間に勉強しようなどという態度の人にはバチを当ててやろうと思っていますし、到底勤まらないでしょう。でも、「才能がない」人でも体力と根気さえあれば、必ず出来ます。そして、「手続き」が出来ている人には、多少結果が間違っていても良い点数を出します。まぐれ当たりでホームランを打つ人よりも、正しいフォームで三振する人の方が、将来にはずっと期待できます。「手続き」は若い内の方が身に付きますし、身に付いたものはそう簡単に忘れません。皆さんの精進に期待します。
ここでは書物による調べについて書きます。基本的には、椙山女学園大学星が丘図書館を利用することを前提にしましたので、図書館の配架番号を入れました。ただ、愛知県立図書館など、資料の充実している図書館ならば、これらの本はだいたいあると思います。
3 日本の書物(和書)に用例があり、その本がどの本に収録されているかを知りたい時
国文学関係の演習発表や日本文化論のレポート作成に役立つサイト
国文学研究に役立つサイトへのリンク集です。演習発表・レポートなどでぜひ活用してください。
おわりに。。。
文学は人生を楽しみ、豊かにするためにあるものです。そのためには健康第一。私はどんなに忙しくても一日8時間は寝ますし、ご飯は絶対抜かしません。寝る間を惜しまず、三食よく噛んで食べて、周囲に感謝して文学を楽しんでください。