飯塚 恵理人(いいづか えりと)
履歴
昭和36年年7月8日 物理学者飯塚重五郎・悦子の長男としてシカゴに生まれる。
でも英語は苦手。。
昭和43年4月 愛知県碧海郡知立町立知立東小学校入学。趣味は鮒つり。寺・神社の見学。
昭和49年3月 同小学校卒業
昭和49年4月 愛知教育大学附属岡崎中学校入学。給食がおいしかった。
昭和52年3月 同中学校卒業。このころはじめて狂言を見て面白いと思った。
昭和52年4月 愛知教育大学附属高等学校入学。6月に急性肝炎で二ヶ月入院。
数学と英語で落ちこぼれる。
退院後はじめて能を見てはまる。文学部への入学を志す。
昭和55年3月 愛知教育大学附属高校卒業。中学・高校時代は、
なんか周りに変わり者が多くて楽しかった。。
昭和55年4月 筑波大学第二学群比較文化学類入学。田舎からでてきて
周囲の子の賢さに圧倒される。
昭和59年3月 同大学卒業。
昭和59年4月 筑波大学大学院文芸・言語研究科に進学。
日本同盟基督教団土浦めぐみ教会にて洗礼を受ける。
平成2年2月10日 政田佳恵と結婚。三食きちんとごはんを食べるようになる。
平成3年4月 椙山女学園大学生活科学部生活社会科学科専任講師。
アルバイト生活から抜けてほっとする。。
安城の実家に住む。筑波に11年いて、楽しかったが、
やはり郷里は安心できるなあと思った。
平成5年4月 名古屋に転居。職場に近くて便利だった。
平成6年4月 助教授に昇格。
平成11年2月 はじめての単著『近世能楽史の研究』を雄山閣より出版
平成11年8月2日 長男比呂人誕生。ずっと子供が欲しかったのですごく嬉しかった。。
平成12年4月 文化情報学部に学内移籍。
平成12年10月 『近世能楽史の研究』で江馬賞(日本風俗史学会)受賞
平成12年11月 郷里安城に転居。実家まで300m。
平成13年8月3日 長女友恵誕生。誕生日が比呂人と一日違いなので、
毎年二日続きでお祝いをすることが確定する。。
平成14年3月 二冊目の単著『夢幻能の方法と系譜』を雄山閣より出版。
平成14年4月 大阪大学より博士(文学)を授与される。
出身でもない者に仲介の労をとって下さった
主査の天野文雄先生に心より感謝します。
平成17年4月ー9月 私学研修福祉会の研修員として、大阪大学文学部
にて国内研修。天野文雄先生ならびに演劇学研究室の
皆様に心より感謝いたします。
平成20年4月 教授に昇格。助教授生活満14年でした。
とても嬉しかったです。研究に、教育に一層頑張ります。
専門 中世日本文学 能楽
:現在の興味・関心
1 東海地域の能楽史の構築
このためにも能楽資料の収集とデータベース化を進めたいと考えております。
これも全部筧鉱一先生はじめ能楽師の先生方と情報系の先生方のご協力が
あって続けられているのですが。。
2 初心者向け能楽教材の開発
名古屋能楽堂展示室のビデオ「能の見どころ」を受託研究で
作らせていただいております。よりわかりやすいものにしたいと思います。
ご意見いただけますと幸いです。今後は中学・高校生向けの教材や、
英文によるナレーションのものも、周囲の先生方のご協力をいただきながら、
手がけて行ければよいなあと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。
3 夢幻能の成立
夢幻能という劇が、どうして生まれたのか。。夢幻能の名作についての作品
研究を続けたいと願っております。私の本来の仕事のはずなのですが、
なかなか成果があがらず苦慮しています。『夢幻能の方法と系譜』という著書を
平成14年3月に雄山閣出版から出しております。。売れなくて困っています。
16800円という定価ですので、もし図書館などでリクエストしていただいて、
御感想いただけますと非常に嬉しいです。
4 SPレコード、オープンリールテープなど明治から昭和までの古典芸能アナログ音源のデジタル化と発信
現在一番力を入れている分野です。従来の「国文学研究」分野からの「演劇」「芸能」研究の方法は、
当然のことながら劇の「台本」や歌の「歌詞」の文学的研究が本流で、その「芸」の実態は「芸能史」という形で
主に文献から行われてきました。ただ、明治末や大正時代には蓄音機レコードが普及し、レコードによって芸能を
鑑賞する「聴衆」が生まれつつありました。この「レコード」は、当時の芸の「実態」を直接伝えるもっとも優れた資料だ
と思います。ただ、公的な図書館・研究所などでも傷むことを理由にほとんど聴かせてはいただけないですし、
所蔵者も再生装置がないことから捨てるケースが多くあります。昭和前期のオープンリール録音もそうですが、
これらのなかには後世に残すべき貴重な芸能資料が多く含まれています。そこで、それらを購入・拝借してデジタル化し、
インターネットから配信する作業を続けています。今後とくに収集したいのは、昭和30年代・40年代の「放送音源」です。
テレビ局・ラジオ局が「アーカイブ」を意識して放送番組の原版テープを保管するのは昭和50年代にはいってからで、
それ以前の音源は再放送がすんだら廃棄が原則でした。ですから放送局にもほとんど残っていません。
わたしとしては、「放送」のオープンリールの芸能の音源も積極的にデジタル化し、保管したいと思います。
もし提供いただけると幸いです。
5 現代の「古典芸能」の記録保存
名古屋では現在でも数多くの「古典芸能」の催しがあります。プロの方による質の高い芸も多いのですが、
記録を撮っていない催しも多くあります。我々も日々の講義をビデオにとっているかと言えば撮っていないのですが、
プロの方にとって、舞台は日常で、その一つずつが「資料的」価値を持つとは思っていらっしゃらない場合が多くあります。
しかしながら、十年前、二十年前、この部分はどう演じられたのだろうと調べるとき、「今」の映像も「後世」のために残す
必要があります。本研究室では、助成金を用いて、和泉流狂言共同社など、名古屋で行われている質の高い伝統芸能の
催しを、お願いして撮影させていただき、それをデジタル化して記録・保存しています。「研究用」ですので、出演者の許可が
取れた場合のみ、その研究者方に提供しています。
これまで学外から頂いた研究助成金
(本当に有難うございました。おかげさまでなんとか続けられております。。)
(1)能楽資料の収集と整理(能楽番組データベースがメインですが、古いオープンリールの録音を
WAVに変換してCD化することや、能の催しの映像のビデオ記録なども手がけております。)
平成7.8年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 7年度80万円 8年度50万円
近代東海地域能楽史の研究ー能楽資料の調査・収集とデータベース化(課題番号 07610438)
平成8年度 東海学術奨励会 30万円
東海地域能楽資料の収集と整理
平成9.10年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 9年度60万円 10年度50万円
東海地域近世・近代能楽資料の収集と整理(課題番号 09710316)
平成11年度 松下国際財団(前期・一般) 60万円
在米能装束の調査とデータベース化
平成12年度 堀情報科学振興財団 110万円
能楽データベースシステムの構築ー能楽番組データベース及び能面・能装束の画像データベースを中心にー
平成12.13.14年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 12年度50万円 13年度40万円 14年度40万円
近世・近代能楽資料の収集・整理とデータベース化ー東海地域を中心にー(課題番号 12610457)
平成15年度 三菱財団人文科学研究助成 80万円
能楽史の基礎的研究ー東海地域能楽資料の収集とデータベース化を中心にー
平成15・16・17年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 15年度50万円 16年度50万円 17年度50万円
東海地域能楽資料の収集と整理(課題番号 15520124)
平成17・18・19年度 日本私立学校振興・共済事業団学術研究振興資金助成 17年度30万円 18年度30万円 19年度30万円
東海地域能楽資料の収集と整理
平成17年度 サウンド技術振興財団助成 40万円能楽囃子・謡曲の録音の収集・整理・デジタル化と声紋分析ー昭和40・50年代を中心に
平成18・19・20年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 18年度 50万円 19年度50万円 20年度50万円
近代東海地域能楽資料の収集と整理ー他の「伝統芸能」との交流
平成18年度 公益信託 高橋信三記念・放送文化振興基金 50万円
昭和初期ラジオ放送の研究ー「伝統芸能」の成立
平成18年度愛銀教育文化財団 30万円
平成18年度 放送文化基金 80万円
昭和初期ラジオ放送の研究ー「伝統芸能」の成立
平成20・21・22年度 日本私立学校振興・共済事業団学術研究振興資金助成 20年度30万円 21年度30万円 22年度30万円
平成23.24.25年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 23年度50万円 24年度50万円 25年度50万円
東海地域近世・近代能楽資料の収集・整理とデータベース化
平成20年度 放送文化基金 80万円
昭和30-50年代古典芸能番組の研究ー座敷芸から舞台芸能への変化
平成22年度 放送文化基金 80万円
昭和20年代・30年代ラジオ放送古典芸能番組の研究―テレビ・民放の誕生―
(2)初心者向け能楽教材の開発
(名古屋能楽堂展示室のビデオの解説と編集をしております。研究費で
業務用のデジタルビデオカメラ・デッキを購入することができ、感謝いたしております。
今後とも能楽の映像の収集と教材作成に力を入れたいと考えております。)
平成12年度 名古屋能楽堂受託研究 130万円
能楽堂展示室ビデオ「能の見どころ 第2集」制作
平成13年度 名古屋能楽堂受託研究 100万円
能楽堂展示室ビデオ「能の見どころ 第3集」制作
平成14年度 名古屋能楽堂受託研究 130万円
能楽堂展示室ビデオ「能の見どころ 第4集」制作
平成15年度 松下視聴覚教育研究財団 第10回 研究開発助成 100万円
平成15年度 名古屋能楽堂受託研究 60万円
能楽堂展示室ビデオ「能の見どころ 第5集」制作
平成16年度 名古屋能楽堂受託研究 50万円
能楽堂展示室ビデオ「能の見どころ 第6集」制作
趣味 昼寝。写真撮影(古い寺とか、、風景写真と子供の写真)
好きな食べ物 甘いものならばなんでも。。。
自分の性格を一言で 田舎者。。(でも田舎には田舎のよさがあるのです。。安城ばんざーーい。)
サウンド技術振興財団 | 謡曲のオープンリールの録音のデジタル化や、謡曲・小鼓の音の声紋分析に関して助成金をいただきました。謡曲SPレコードなど、古い音源のデジタル化に使わせていただいています。分析までなかなか出来ませんが、頑張って行いたいと思っております。 |
高橋信三 記念・放送文化振興基金 |
能は能楽堂に行かなければ観られないもの、落語は寄席に行かねば聴けないもの。。大正時代まで、芸能はその場所に出入りする「階級」にしばられていました。昭和初期のラジオ放送が、茶の間にはいってゆくことにより、あらゆる「芸」が「階級」を越えて愛好されるようになります。その様子をSPレコードの収集とそのデジタル化から考察します。本助成はりそな銀行の公益信託です。採択頂いて心より感謝致します。 |
愛銀教育文化財団 | 名古屋の芸能のSPレコード音源・オープンリールなどの収集・整理とホームページを用いた発信について助成いただきました。豊竹呂昇、伊六漫才など、能楽以外の音源のデジタル化が中心となっています。後継者が絶えていま聴く事が出来なくなってしまった尾張の民俗芸能の録音もありますが、声はとても魅力的です。いずれCDにするなど、広く聴いていただける形にしたいです。助成頂いて心より感謝致します。 |
日本私立学校振興・共済事業団 | 東海地域の能楽資料の収集と整理、そしてデータベース化に関する費用を頂いています。現代の名古屋の能楽、能楽とともに上演され関係の深い芸能ー日本舞踊・邦楽などの記録にも使わせていただいております。助成いただき、こころより感謝致しております。 |
放送文化基金 | 「放送」がどのように「芸能」を変えたのか。。ラジオ放送により、はじめて人々は他の地区で行われている芸能、他の地区の「唄」を同じ時間帯で共有して聴く事になりました。民謡は、言葉はそのままに方言のアクセントを薄めて「標準語」で謡われ、謡曲は東京の「家元」の謡い方に全国的に統一されて行きます。そのような実態をSPレコードとオープンリールテープのデジタル化、新聞の調査から考えます。とくに四方定子氏から提供いただいている中部圏の民俗芸能のテープのデジタル化から、「放送」によって東海地域の民俗芸能がどのように変化したのかを考えたいと思っています。助成金いただいて本当に感謝です。 |